

・E―8 神崎有希子さんの対決
■ゲーセン
神崎「ふふーんふーん」タタ タタタン タタン
※神崎有希子=E-8 おっとりおしとやかでクラスのマドンナ
神崎「ふーん」
"挑戦者現るッ!"
神崎「お、きたきたー。負けないぞ」
タタン タタタタン ショーリューケン! タン タタン ハドーケン! タタタタ タンッ
神崎「よしっ」
「あっちゃー、やられた」
神崎(あれ? この声って……)ソーッ
業「おっ、神崎さんじゃん。神崎さんって格ゲーも強いんだね」
神崎「カルマ君。ゲーセンにあるゲームは殆どやったから。でもカルマ君も強かったよ」
業「へぇ……じゃあさ、俺とゲーセン勝負しない?」
神崎「ゲーセン勝負?」
業「格ゲーは負けちゃったけど俺もゲームは好きでさ、他のゲームでも勝負しよう」
神崎「う、うん」
神崎(強い人と一緒にゲーセンで遊ぶなんて初めてだなぁ。茅野ちゃんとはあれ以来一緒に遊ぶことが多いけど、ゲームは苦手みたいだし)
神崎(なんかちょっと燃えてきたっ)
業「よし、まずは俺も負けを取り返したいからね。ダンレボで勝負だ」
神崎「う……頑張る」
神崎(ダンレボはちょっと苦手だなぁ)
YOU WIN!
業「な、なんだと……」
神崎「よかったぁ、なんとか勝てたぁ」
業「ダンレボは自信あったんだけどなー。神崎さんの足が殺せんせー並に分身するとは思わなかった」
神崎「私あんな風だったかな……」
業「でもほんとなんでも上手いんだね。運動系では負けないって舐めてたよ」
神崎「今年に入ってから体力がぐんと伸びたから、そのおかげかな」ハハッ
業「こうなると普通のゲームじゃ勝てそうにないなぁ……よし、次はクレーンゲームだ」
神崎「うんっ」
業「一回でより多く救えた方が勝ちね」
※回転するお菓子をすくって落とし、移動台から落とすタイプのクレーンゲーム
神崎「まずはカルマ君からどうぞ」
業「これなら運も絡んでくるからな、勝てるはず」ウィーン ウィウィウィ
業「よし、結構取ったぞ」ポタポタポタ カタンカタンカタ
業「七個か。まあまあかな」
神崎「じゃあ次は私だね」ウィウィウィウィーン ウィ...ウィ...ウィ...ン...モッサリ
業「なにぃ!?」ギュオーン
業(驚きすぎて初めて目を飛びだしちまった。ってか万有引力どうなってんだこれ。一すくいでこんなに取れるものなのか)
神崎「えい」ボタボタボタボタボタボタ....ボタボタボタボタボタ
神崎「あ」
業「あ」
神崎「あちゃ……上手くいかなかった」
業「あれだけすくっても失敗すんだ」
神崎「いいとこ見せよーって張り切ったからかな。上手くいくと三十個は取れるんだけどな……」
業「クレーン荒らしだね」
神崎「もう勘弁してくださいって店員さんに言われたことあるなぁ。その時は練習しすぎでクレーンの中身がすっからかんになっちゃってた」
業「そりゃあ嘆くよ」
業「これで一勝二敗か……なんとか次も勝ちたいし、ちょっと卑怯かもしれないけど次はあれにしよう」スッ
神崎「パンチングマシーン」
業「そっ。あれなら流石に負けないと思うからね」
神崎「確かにちょっと自信ないかも……でも頑張る」
業(ちょっと自信がない? もしかして殴る時だけゴリラみたいに筋肉活性化したりするのかな)
神崎「行くよ……えいっ」タッタッタ
業(助走をつけてるだけで普通だ)
ドン
業「!?」
神崎「130かぁ……」
業「充分凄いよ。男子並じゃん。その細腕のどこから力がでてんの?」
神崎「違う違う。私は力ないから、当てるところを意識してるの」
業「当てるところ?」
神崎「うん。どこに当てれば一番測定が高くなるか。だから私のパンチに130もほんとはないんだよ」
業「パンチングマシーンもゲームか……そりゃそうだけど」
業「よし、ここは勝てた」
神崎「凄い、180だって!」ギュッ
業「……神崎さんがこんなにはしゃぐのってなんか珍しいね」
神崎「あ……ご、ごめん」カァ//
神崎「その、私、ずっと一人でゲームしてたから……一緒にゲームできるのが嬉しくって」
業「あー、よく一人でゲームしてたよね。茶髪にしてさ」
神崎「カルマ君知ってたの……?」
業「うん。俺もよくゲーセン来るし。学校ではおとなしいけど色々あるんだろうなぁって」
神崎「……うん」
業「両親が厳しくてそれの息抜きで派手に遊んでたらE組降格したりしたのかなぁって」
神崎「聞いてたかのように適確な答え!? その通りなんだけどね……」
業「でも最近見なかったよね。またなんかしらで息抜きしてんの?」
神崎「息抜きって意味合いもあるけど……違うよ。私、ゲームが好きなんだ」
神崎「だけどうちの両親は厳しいからゲームなんて買えないし、ここに来るしかなくて……」
業「大変だね」
神崎「でもね、私してみたいことがあるの」
業「ん?」
神崎「ゲームを作ってみたいっ。こんなに人を熱中させられて……凄く楽しくて……だから私も誰かに楽しんでほしい」
業「へえ、いいじゃん。どんなゲーム作りたいの?」
神崎「世界中の人がプレイしてもクリアできないような超絶鬼畜ゲームっ」
業「それはやってて楽しいのかな……」
神崎「ちょっとずつだけどそういう勉強も始めてるんだ」
業「そっか。んじゃ完成したらプレイさせてよ。それまでにもっと上手くなっておくから」
神崎「うんっ」
杉野「んな!? あ、あれは神崎さんとカルマ!? なああああっ!」ダダダダダダッ
杉野「カルマぁ!」ガシッ ダダダダダッ
神崎「カルマ君がさらわれた? 今の杉野君だよね」フフッ
業「なんだよ服伸びるじゃん」
杉野「頼む、頼むカルマ。お前と渚と磯貝と前原だけは神崎を狙わないでくれ、勝てる気がしないっ」
業「多いよ……もっと頑張れよ……。それに、神崎さんは俺らなんかに惚れたりしないって」
杉野「な、なんでだ?」
業「彼女はもうゲームにベタ惚れだから」
杉野「そっか……嬉しいような悲しいような」
業「だから彼女を落とすなら最低でも同じ高校に入らなくちゃ駄目だな。もしかしたら社会人になるまで無理かも」
杉野「先が長くて心折れそうだ……」
業「しかもそれでフラれた日には目も当てられないね」ニヒヒ
杉野「おまえ楽しんでるだろ」
業「たっのしいなぁ」
杉野「この野郎……勝負しやがれ! ゲームで!」
業「ふーん、神崎さーん。杉野がゲームで勝負したいってー」
杉野「なっ、おまっ、おっ、ありがとおおおおお」
神崎「うん、勝負しよーっ」タッタッタッタッタ
殺先「ぬるふふふ、これはなんとも夢のある青春物語を見ることができましたね」
殺先「杉野君のあくなき純愛はいつまで続くのか……これは先生、死んでも死にきれませんね」
殺先「さてさて、次は誰が……お? あんな所にエロ本が」
殺先「これはまさか岡島君のトラップでは……いけません、誘惑には勝てないっ」シュタタッ(マッハ20)
※岡島大河=E-3 様々な名言を残すエロ哲学者
殺先「はっ、これは……確実に岡島君のトラップですね。先生の好みを熟知している。ということはどこかに罠が……」ソワソワ ソワソワ
殺先「ありませんね。なにかしら理由があるはずなんですが……ちょっとリサーチしてみましょうか」シュンッ