先輩「さあっ、いよいよ私達の出番だぞ後輩くん!

後輩「とりあえず僕は訴えようかと思います

先輩「いきなり物騒だな!」


の二人。

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先輩「どうしたんだ、後輩くん。気前よくぽあーっと騒ごうではないか」

後輩「そんな宗教かぶれな騒ぎ方は元よりする気がありません。
    僕はね、先輩。目立つことが大嫌いなんですよ


先輩「ふむ、そういえば前もそんなことを言っていたな」

後輩「そうです。ですから先輩の傍にいる時はいつも以上に影を潜めています」

先輩「はっはっは! 私はいつだってイリュージョンだからなっ!」

後輩「どんな幻想も打ち砕きそうな人が突拍子もなく現れそうなので自重してください。いえ、自嘲してください

先輩「みんなにはいつも自重も自嘲も持重もないと撫でられてるぞ//」エヘヘ

後輩「どう足掻いても褒められてませんよ、それ

先輩「やっぱりか……薄々感じていたのだ、みんなの目がどこか遠いと

後輩(それは小動物を愛でる目なんだろうけど)


後輩「ともかく、僕は訴えます」

先輩「どこに訴えようか」

後輩「……労働組合?

先輩「私達の出番にはギャラが発生していたのか!

後輩「未だ支払われたことはありませんけどね」

先輩「むー、甲斐性なしめ

後輩(先輩に否定される威力は凄まじいな……凄く申し訳ない気分になる)

先輩「ギャラが支払われたらなんに使おうな、後輩くん

後輩「そうですね。結婚資金として貯めておきましょうか

先輩「け、結婚!? 結婚するのか君は!」

後輩「はい。え? してくれないんですか?」

先輩「そ、そういう話はまだ早いぞぉ……初夜もまだなのに

後輩「寧ろそれが逆だから!」

先輩「結婚……結婚かあ……」

後輩「ま、それまで先輩が僕のことを好きでいてくれたらですけどね」

先輩「なにを言うか君は! 私の愛は世界最強だ!」

後輩「うん、よく意味が解りませんが気持ちは伝わりました。
   ま、それまで僕が先輩を想い続けけてるかどうかも解りませんが


先輩「そ、そ、そんなこと言うなよぉ゛ぉ゛ぉ゛!」ビエーン

後輩「じょ、冗談ですから。僕が悪かったです。許してください」

先輩「じゃあちゅーしてくれ! な? な」キラキラ

後輩「嘘泣きですか……そんな嘘つきな子とはやっぱり高校卒業までキスできません

先輩「うう……絶対に立場が逆である気がするのだ……

後輩「僕が先輩にねだることなんて、そうですね……

後輩(結構いっぱいあるけど、先輩にねだる気がしないんだよなあ。するとしても是非を問わないだろうし……)

後輩「いつかはあるんじゃないですかね」

先輩「く、くそぉ、ぐらまーな女になって誘惑してやるのだ!

後輩「ちょっと先輩、笑わせないでくださいよ」ハッハッハ

先輩「後輩くんが腹を抱えて笑うなんて珍しいことなのにそれがこのタイミングなんて酷いぞぉ

後輩「はいはい、すみませんね、先輩」ナデナデ

先輩「うぅ……ずるいなぁ、後輩くんは」ポワポワ