- 1 :名無しさん@おーぷん :2014/06/18(水)10:25:56 ID:bnYx5o73t
- いつのことだったか、とても小さい頃。
お父さんとお母さんは仕事で忙しくて、あまり私に構ってくれなかった。
お父さんとお母さんが私を愛してくれていないなんて考えはしなかったけど、幼稚園のお遊戯会に来てくれる予定だった二人は、急な仕事で来れなくなってしまい、私は寂しい想いをした。 - 普段から蓄積されていた鬱憤が破裂したのか、私は部屋に閉じこもって泣き続けた。
ひとりぼっちの家で、外も暗くなっていて、寂しさと悲しさが心を締めつけた。
よく覚えていないけど、泣き疲れたからか、私はテレビをつけた。 - 映し出されたそこにはかわいい女の子が歌って踊っていた。
- きらきらと煌くスポットライトを浴びて、ふりふりのかわいらしい衣装に身を包み、笑顔でとても楽しそうに歌う女の子。
段々と楽しくなってきて、悲しかったことも忘れて、私は笑った。
お父さんとお母さんがケーキを買って帰ってきてごめんと謝ったので、私は口を尖らせて言った。
「つぎやくそくやぶったら許さないんだからっ」
だけど私はもう怒っていなかった。
たった数分で悲しみを取り除いて、笑顔にしてくれた女の子。
そんな存在に、心から憧れたんだ。
2014年06月
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