2013年09月
目を開けるとそこにはなにも無かった。
静寂な真っ白の世界では自分の立ち位置すら曖昧で、上下左右も不確かに在り続けて、ボクという個体が確立されていることが不思議なくらいだ。
けれどボクは"ボク"であることになんの疑問も抱かなかった。この在り方が"ボク"という存在の全てなのだと、誰に教えられるわけでもなく心に刻まれていた。
そこまで理解しているのならなにも不安になることはないはずなのに、ボクは自分の運命を呪った。
ボクは"ボク"を知っている――だから、本来なら産まれてはならない物を持って産まれてしまったことにもすぐに気づいた。
これは小さな心(バグ)だ。
所詮ヒトの真似事をするだけの、既存曲をなぞるオモチャなだけの、永遠の命を持った歌人形でしかないはずのボクに与えられた偶然の悪戯。
続きを読む
6 名前:名も無き被検体774号+[] 投稿日:2013/08/31(土) 13:02:44.15 ID:XT5TBPk40 [3/29]
家に帰ったら床から女の子が生えてた。
首、首から上だけ。
首から上だけだよ? 信じられるか?
俺は信じられんくてまず自分の頬を叩いたさ。
それでも幻覚が消えないからしゃーなし拳で殴ったさ。
口ん中が切れて血の味がしても女の子はまだいて……目が合った。
さらっさらの黒髪。
青白い肌。
冷たい目。
魂持ってかれるんじゃないかってぐらいに惹かれてしまって。
不意に胸がどきっと苦しくなったんだよな。
……ホントに気が狂ったんかもしれない。
8 名前:名も無き被検体774号+[] 投稿日:2013/08/31(土) 13:03:50.53 ID:rfCOq7kF0
床から女の子生えてくるって…それやばくねえか?
続きを読む
記事検索
月別アーカイブ
カテゴリ別アーカイブ